パイナップルツアーズ(1992)
監督 真喜屋力、中江祐司、當間早志
出演 兼島麗子、利重剛、洞口依子、照屋林助


 
 沖縄のイメージっていうと、まず戦争、次に南の熱い太陽の島、となる。本土の人間の考える沖縄を払拭しようとしてこの映画は作られたと聞いたが、随分明るい映画になっていて、本当、これでいいの? って感じがした。出てくる人皆なが脳天気で、昼間っから働きもせずにぐーたらしている。それもこの南の島では当たり前のことで、皆な納得していて、何に疑問を持っているの?って言っている。そこには疑問を挟む余地がまったくなく、見ている皆なものんびりと楽しんでくださいって感じで、あまり突っ込んで考えるのは見当違いのように思えるのです。
 不発弾を見付ければ、おばさんの口がきけるようになるというお告げにしたがって、不発弾捜しが始まる話。東京から来た兄ちゃんが島の娘とくっつけられる話。島のパンク兄ちゃん、ねーちゃんのバンドをスカウトにくる話。それぞれが、とてつもなく明るくでたらめっぽく展開するのだが、出来たら、そんな変な誘惑になんか乗らないで、沖縄にずっといれば良いのにと思うことしきり。本土から来た人は帰さずにここに住まわせ、沖縄の住人にはこののんびりとした島が一番良いところなんだと再認識させるのが目的のような映画だと思えた。
 私はまだ行ったことのない島沖縄は旅行で行ってみたいとは思うけれど、ずっと住む気にはならない。住むんだったら、映画をふんだんに見られる東京だな。

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