ベンガルの夜（The Bengali Night）1989

監督　ニコロ・クロッツ 出演　ヒュー・グラント、スプーリャ・パタク、ジョン・ハート、アンヌ・ブロシェ

　勝手な、ひとりよがりの、我水引田の見本のような話だ。だって、これじゃインド人はそれこそ自分勝手なひどい人たちのように描かれていて、被害者は本国から遙離れて寂しい英国人です、という風にしか採れないようになっている。だから、あくまでもこの映画から感じた感想を書いてみることにする。
　インドの割りと裕福な家族がいて、その家に居候しているイギリス人を自分の娘と付き合わせて、仲良くさせようとする。若い二人は当然のごとくごく親しくなって、結婚しようということになる。そうなると、なぜか両親はイギリス人をひどい言葉で罵倒し、二人を離そうとする。だったら始めから近づかせなければ良かったのに。どういう考え方からそうしたのか。そこんところがまったく分からない。
　他の国の人が描くインドは、どうも本当のインドではないようだ。特に、イギリスがインドを見る目はどうしても植民地としてのインドでしかないようで、その点を考慮してみても、作った人の真意が分からなかった。