これは題名どおりの女性賛美の映画だ。女性は皆、賢く、男性は愚かで、ぐーたらで、どうしようもないやつらばかり、と言っている。そう言われればそうだし、少なくともこの映画に出てくる男と来たら、そんなのばかりだからしかたがない。また、映画の中だけではない。実際にいる男性も似たようなもの。
　この映画のおおまかなスタイルには類似の作品は多い。卒業してから何年か経って、クラス会かなんかで久しぶりに集う。年数にもよるが、あまり変わっていない者もいるし、すごく変わっている奴もいる。年月が人を変える。それはただ年齢と姿だけにとどまらない。見かけ以上の何かの方が大きいこともある。
　ウィリーはピアニストだけど、うだつがあがらないというふう。彼を軸に物語は進むが、彼の帰った故郷には、年だけくった20代後半の連中が10年前とほとんど変わっていない仲間意識の中で生きている。恋愛遊技とかいうものや、結婚願望とかいうもののまわりをぐるぐる回るだけで、その核心に触れようともしない。あやふやな年代なのだろう。昔なら、いわゆる結婚適齢期というものがあって、本人の意識に関係なしに、まわりのお膳立てで結婚できた。それが、今やなくなって、それって、本気？　それとも遊び？　そんなことで10年はあっという間。結婚がゴールでも、全てでもないのは当然のことだが、だけど、恋の悩みだけで一生を暮らすというのは、辛いものだ。ある時期にどういう形であれ、結論を出さなくてはならないのだ。
　トミーはきっと学生時代はもてただろう。マット・デｨロンお得意の役。またしても、頼りにならないあんちゃんの役だ。二人の女性の間であたふたとしている男、仲間も彼を助けられない。自分でけじめをつけなくてはいけないのに。そんな男は結局自分の力ではなく、他力本願の解決しかない。
　クラス会当日、彼は参加しない。参加すれば、事件の火種を増やすばかりだからだ。だが、それは同時に困難と向かい合わないずるいやり方でもある。自分のことなのに、背を向けてしまう。思えば、案外そういう態度に出てしまい勝ちなのが、普通だ。まさに、「その時」に逃げ出してしまうことはよくあることなのだ。でも、そこまでに至らないうちに早期解決出来るような人なら、最後の最後まで解決を先延ばしにしたりはしない。ぐずぐずしていたからこそ、そんな目にあってしまうのだ。10年位はすぐに経ってしまう。身体は大人になっても、なかみはそうは成長しない。
　あの13才の少女の言葉を信用していいのだろうか。これが最大のなぞだ。女は少女だからといって馬鹿に出来ないから恐い。すでに、大人の領域に足を踏み入れているのだ。かたや、いい大人の男を相手に翻弄するような言葉を吐くのだから。本気にしてみたい気持ち半分と、からかわれていることと理解したくない気持ち半分と、でもあれだけかわいい子に言い寄られたら、迷う。いい迷惑だ。ことほど左様に、すべからく女性は男性の上を行く。　ああ、、