アジアの中で一番日本人と似た顔をしている彼らに親しみを感じる。背もそう大きくなく、にこやかに笑っている。それなのに、ああそれなのに、モンゴル映画を見たことがなかった。映画はその国に行くか、やってくれるのを待つしかない。アメリカ映画はいやというほど来るのに、ぜんぜん見ることの出来ない国の映画も多い。私もこれだけたくさんの映画を見てきているのに、国の数でいうと、10に満たないのではないか。アメリカ、フランス、イギリス、オーストラリア、インド、中国、台湾、香港、フィリピン、ユーゴスラビア、ハンガリー、ドイツ、スペイン、ポルトガル、南アフリカ、、、、、、案外あるな。でも、率でいうと、圧倒的にアメリカだろう。世界的にアメリカ映画は大将みたいなものだからなあ。世界的に通用するような映画を作ってきたし、それに世界中が慣らされてしまった、ともいえる。
　フフーは結婚したがっている。世界中での美醜の規定は定まってはいない。だが、だいたい似たような感じはあると思う。映画に出てくる人を見ると分かる。映画には美男美女が出ると決まっているからだ。モンゴルでの男と女の好まれる基準はなんとなく分かった。男はさておき、女性は日本と変わらない。モンゴリアンの元祖だもの、違うわけはない。
　男と女が出会い、気に入った人と親しくなろうとし、知り合いになって、その先をめざす。この流れはどこも変わらない。早い、遅いはあるが、モンゴルにも同じ青春があった。ありきたりなことだったが、安心した。