プレタポルテ(Pret a Porter)1994
監督 ロバート・アルトマン
出演 マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、ジャン・ピエール・カッセル、キム・ベイシンガー、チアラ・マストロヤンニ、スティーヴン・レア、アヌーク・エーメ、ルパート・エヴェレット

 手慣れた手法で、見ないまでも想像できる出来になっている。思うに、前作「ショートカッツ」の成功に気を良くした監督が、その余勢を駆って作ってしまったのがこれだ。これは、例えばピアノの名手が目をつぶってても指がかってに動いてしまうのに似て、映画監督も自らの才能に酔って、ピアニストのようなことが映画でも出来るとばかりに作ったに違いない、と思う。でなけりゃ、もうちょっとまとまりのあるのが出来ているはずだ。または、題材が題材だから、色々なところ、人に遠慮がある。本当はずばり返り血を浴びても、切りまくりたいところ、それは中途半端に終わってしまった、というところか。実名で出た人は、宣伝効果があるとみて、協力したのだろうし、アルトマンを面白いとは思っても、自分の商売に関わってくるものことには別物と考えてしかるべきだし。まあ、なにはともあれ、あれだけのデザイナーが協力したことはすごい。自信があるのか、あの人も入るのなら、私も、という具合になったのか。でも、話の核心は架空の人物だから、実在の人物が事件に関わったようにはなっていない。これがぎりぎりの線だろうし、そういったことを考慮に入れれば、かなりのことを言っている映画だと思うし、これだけのものを作れるのは他にはいない。けなしたり、ほめたりしたが、どっちなのか、と聞かれれば、こう答えよう。いくら面白いものでも、三日同じメニューでは飽きる、と。

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