黒い罠（Touch of Evil）1958

監督　オーソン・ウェルズ　 出演　チャールトン・ヘストン、ジャネット・リー、オーソン・ウェルズ、ジョセフ・カレイア、エイキム・タミロフ

　
　冒頭の長回しはなかなか見事なもので、クレーンが動く動く、そのなめらかな動きは見るものを気持ち良くさせる。ただ、その流暢な映像が全編にわたってこれでもか、これでもかとばかりに繰り広げられるので、少しも落ち着けない。全ての画面が凝りにこっているため、私の肩も凝ってしまった。
　街の有力者が殺されて、その捜査にアメリカとメキシコの警察が協力するのか、反発しつつか、まあとにかく犯人を捜すことになる。メキシコ側は、チャールトン・ヘストンで、アメリカ側はオーソン・ウエルズが担当警官になる。街のボスがダイナマイトで殺されるという事件の裏には、きっと何か陰謀のようなものが隠されているに違いない。いろいろ捜査していくうちにアメリカの例のでぶの奴が絡んでいるのが分かってくる。いかにも有りがちな話で、意外性がないのと、映像のスタイルのギャップが見ていて次第に広がってきて、オーソン・ウエルズも焼きが回ったな、と思わせるもの大だった。