初めてみるモンゴル映画。モンゴルといえば、馬。馬に乗れない人はいない。毎日使う足のようなもの。馬に乗ることが好きだし、馬を世話する仕事に誇りを持っている。馬がそれだけ貴重で、大切なことは言うまでもない。この映画の主人公が馬の世話をする係に誇りを持っていること、だから罰として、馬ではなく牛の世話をされられるようになった時の、意気消沈ぶりはない。馬が好きなのだ。馬でない動物は動物ではないと思っているようだ。馬は自分の気持ちを分かってくれる仲間なのだ。馬に乗って大地を走る気持ちよさ。私は経験がないが、乗れたらいいなと思う。車の運転どころの話ではないだろう。なにせ相手は生きているのだ。無機質な機械ではない。
　馬に乗れない、牛をみなくちゃならない。元気がなくなる。そんな時、ジープに颯爽と乗る女性が現れる。自動車も悪くはないな、と思う。競争してみる。そうそう、ここから話は始まったのだった。車と競争して、馬が穴にけつまづいて、怪我してしまう。それで、馬の世話係から外されてしまったのだ。馬がなにより好きで、馬がいなければ生きてる意味がないくらい。これはモンゴル人のかなりの人の気持ちであろう。言うことを聞かない牛を木につないだまま、遊んでいると牛が逃げてしまった。弱り目にたたり目とはこのことだ。ここまでくると、上司も気の毒がって、牛はやめて、馬に戻してくれることになる。また馬に乗りたい、という彼の希望が叶った。良かった。