アメリカが発見されたという1492年以降、アメリカ合衆国が建国されるまでの間にどんなことがあったのか、独立戦争から後のいろいろは少しは聞きかじってもいるが、その前の約300年、いったい何があったのだろう。
　それはいつものように私がものを知らないものだから、知らないだけで、誰かが住んでいた土地にヨーロッパからやってきた者たちが彼らの土地、食べ物、権利を奪い、又は仲良く暮らしていたのだろう。そんな時代の話だ。
　それは1758年、イギリスが世界の各地に植民地を広げ、他の国もその権利をねらい争っていた頃の東部の出来事だ。まるでターザンが出て来そうな森を何人もの狩人が鹿を追っている。アメリカというとどうしても雄大な草原にバッファローが、というイメージを思い浮かべてしまうが、今の東部で、独立以前を考えると、ああいう風景も不思議ではない。いわば東部開拓史の一部で、今までにあまり紹介されることのなかったことを映画にしたということだ。
　この映画ののりとしては、「ロビンフッド」の感じで、モヒカン族の最後を描いている。作る方で「ダンス・ウイズ・ウルブズ」のような意識で作っていないから、呑気に見ればいいのだと思う。デイ−ルイスはひたすらかっこよい。