嘘も方便と言うが、人間知らぬうちに嘘をついていると思う。深刻なものでないならいくらでもというくらいに。主人公の職業が弁護士、しかもかなりの腕を持っている。ということは必ず口からでまかせであったり、じっくり考えた上であったり、それは彼の仕事での道具のようなものだ。しかも、この弁護士は口から先に生まれたとう男だからよけいだ。この役をジム・キャリーが演じるのはぴったりだ。もっとも彼のために用意された話だろうから当然だが、他の人では考えにくい位当てはまっている。テレビの紹介で嘘をつけなくなることは知っていたが、なぜなのかは分からなかった。子供の誕生日の願い事だった。喜劇だから叶ったのだろう。願い事が全て叶ったら、世の中が混乱してしまうものね。
　口から自然に出るのが「うそ」だものだから、それが出来ないのは苦しい。口が腐っても言えない、という言葉があるが、彼は嘘が普通なのだから、逆だ。でも、常に真実ばかりの人はいないだろうし、それでは人との会話がスムースにいかない。思っていることをそのまま口にできたらおもしろいだろうし、きっとそれでも支障はないかもしれない。やってみる価値はあるかも。でも、どうかな、相当なことを胸にかかえているのが普通だからね。問題は言葉ではなく、行動での「うそ」だ。ないしょですることも、隠しておきたいことも、全てが明らかにされる。きっと物語がなくなる。だって、おもしろくないもの。