離婚のあとに(離婚了、就別再来找我)1997
監督 ワン・ロイ
出演 リー・パオティエン、カイ・コー、チャン・ユアン


 離婚はしたものの、住むところが見つからないため、部屋こそ違え、同居せざるを得ない。でも、これは男がぐずぐずしているためのように思えた。そうこうするうちに、なんとかなるんじゃないか、とう考えがあるようだ。本心は復縁を望んでいる。それに、この男は小説を書いている。書いたものを出版社に持ち込むのだが、取り上げてもらいない、最悪のパターンだ。物書きとか絵描きの陥る場所だ。つまり、妻の働きに頼り切っていたのだ。これなら離婚されるのも無理はない。
 同居しているうちに、妻の妹がやってくる。元妻への未練もあるのにもかかわらず、妹への愛情が芽生えてしまう。妹もそれに応えてしまうのだから、ますます問題が増す。元妻は二人を前にあきれきって、怒るより、嘆くしかない。男と女はどのような状態にあっても進展する時はそうなる。後先考えずに、状況を悪くするのに、なんてことだ。逆境にある方がより強くなるのだから、困る。でも、考えてみれば、正式に離婚しているのだし、たとえ元夫であっても、妹とどうなろうと、彼女に関係ないことではある。それはそれ、身近な者の動向に関心あるのは当然のこと、しかも一緒に暮らしていて、それを見抜けなかった、あるいは防げなかった悔しい思いが先に立つのだろう。映画は二人を追い出して終わるが、その後、どうなるかはわからない。男はともかく妹と疎遠になることはないだろうから。
 そうそう、男が小説家として成功するようになったことから、このような大胆ともいえる行動に出たのだろう。うまくいかなくて、困り、うまくいって又困る。それもこれも両方うまくいくことはない。

ホームに戻る

インデックスに戻る