ロザンナのために(For Rosanna)1997
監督 ポール・ウェイランド
出演 ジャン・レノ、マーセデス・ルール、ポリー・ウォーカー


 スクリーンでタイトルを見たらロザンナの墓、と出たので驚いた。ロザンナは死ぬのか、題名に墓がつくのはめったにないものね。映画が始まったらロザンナはちゃんと生きていた。それもとても元気。だけど、やっぱり体のどこかが悪いようで、夫はお墓の心配をしている。3つしか残っていないので、ロザンナが死ぬ前に別な人が死ぬのをおそれている。お墓も土地不足なようだ。
 あと、イタリアの話なのに、英語だ。これって最近では珍しい。イタリアの話はイタリア語でないとおさまりが悪い。アメリカ映画の強引なところだ。この方式は最近は見かけなかったものだ。ジャン・レノをどうしても使いたかったのだろう。言葉は雰囲気を一番感じさせるもので、だから舞台がイタリアなのだから、どうしてもイタリア語でないと変だ。単なる慣れの問題なんだろうが、慣れていないので仕方ない。これからもそうだろう。もっともこんな体裁の映画をみることはないだろうから、気にすることはない。
 ロザンナは自分が死んだあと、夫が別な女性ときちんと結婚してほしいと思っている。心当たりもいる。それは自分の妹だ。夫も気に入っている様子。これで心残りなく死ねるというもの。だけど、それにしても死ぬということにこだわりがないというか、達観しているのだろう。それで、結局さいごは楽しいトリックがあって、あれなら長生きするだろう。

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