子供向けの絵本かなにかが原作だと思う。かわいいロッタちゃんの楽しい日々をつづった絵本なら、おとうさんの失敗も、おかあさんに怒られたことも、家出してとなりの家の二階に隠れ家を持ったことも、なんでもかわいらしく思えるのだろう。だけど、それはあくまでも絵本の中のことであって、現実にはない。実際にこんなにわがままな、こまっしゃくれた子供がいたら、家族は大迷惑だ。映画は現実ではないけれど、本当にあったことのように描くものだから、ロッタを観客は許さない。どんなに遠くの外国の女の子でも。まして、こんな子供が自分の子供だったら、家出させてそのままにしておくに違いない。赤いじてんしゃが欲しいだって、とんでもない。買ってもらえないからといって、いくら知り合いだからといって、盗み出すのは教育上よくないのではないか。まるで、内緒でちょっと借りるくらいなら、いいですよ、と言っているようだ。この話の最も良くない点は、彼女を両親がきちんと叱らないことだ。良いことをしたらほめ、悪いことをしたら叱る。これを絵本でも映画でもちゃんと描いてもらいたかった。ロッタのすることなら、なんでもかわいいからゆるしちゃえ、という姿勢に大いに疑問を持った。