七つの大罪というものがあって、どうやらそれにそって殺人が進行している様子、つまり完全な計画犯罪で、しかもそういう企みをする人間だから、頭のしっかりした異常者の仕業となる。暗い暗い、ライトというものをきっとまったく使っていない、あえて目を凝らしても見えないような暗さの中で物語を進行させている。この映画の作り手も普通じゃない様に思うが、どうだろう。特にアメリカは一応キリスト教の国だろうから、反撥はなかったのか。大罪を材料にこんな話にしてしまうのだから。殺人鬼の狙いが7つめの殺人にあったことは明白だから、というよりそのために6つを用意したのだから、最後の殺人が完結して彼の行動は終わる。まさに計画通り事は運んだのだから、満足して死んでいった。そういえば、終わりのタイトルも異様だった。切り刻まれた名前が無造作に貼ってあってタイトルになっている、それが普通と逆に上から下へと動いていく、途中で思ったのだが、まさか最後の方のアメリカ映画協会のマークだとかドルビーマークだとかになったらまともなのになるだろう、と高を括っていたのだがとんでもないことにずっとそのままだった。なんという大胆なこと、そしてどうせやるなら最後まで貫き通したこのやり方に、なかなかやるではないか、と感心した。