名前が題名だから、てっきり主人公の名前がジョージアだと思った。そしたらジョージアは姉の名前でした。姉は有名なカントリーの歌手で、妹は姉の影に隠れているすね者。なんか普通でもよくあるパターンで、だけどこの妹はその度合いがすごい。姉と同じような歌手を目指しているようでもなく、かといって違うジャンルの歌手になろうとしている風でもない。あまりにも偉大な姉の存在に、まずは叶わないと思い、次になんとか乗り越えようとし、でもやっぱり無理だと知り、なかばやけくそになってめちゃくちゃをやり、姉に迷惑をかける。そうすればする程、当然姉は困るのだが、何もしないで大人しくしていられない。本当の解決はきっと姉から離れればいいのだが、それに気づいていないかのようだ。この映画では回答は出していない。彼女自身がどうかそこのところ、目をさましてくれればいいのに、と願いつつ映画は唐突に終わる。
　主役はジェニファー・ジェイソン・リーで、これが彼女の素顔だったら恐い、という様子で現れる。以前に「未来は今」で普通の役をやっていたから安心はしているのだけれど、役にのめり込む人みたいで、目のまわりを黒くするメークがすさまじい。姉のさわやかでのびる歌声にひきかえ、気の毒なくらいのだみ声。彼女でなくとも同じ姉妹でこうも違うのかとひがみたくなるというもの。胸の奥から絞り出すような歌も味があると言えなくもない。彼女の一人歩きを期待しよう。