これは、はっきり言って嫌い。なぜなら、まずタバコだ。みんな平気で吸っている。いや、はっきり禁煙運動に向けて煙を吐いている。吸う人は好きで吸ってるのだから勝手にさせてくれ、とでもいいたいのだろう。また、かっこいいとも思っている。だけど、そこが大間違いだ。でもまあ、タバコのことはさておいて、映画自体を考えてみよう。ニューヨークに住む人たちのちょっとした事件を扱っている。でも本人たちにしてみれば大事件のようだ。過去に置き忘れてきた出来事が今浮き上がって、目の前にある。毎日が同じような日々のようでいて、それはちょうど煙草屋の店主が毎朝写している写真のように、同じようでいて、日々新た、写っている人物もさまざまだ。特別に誰かをねらうわけではないので余計企まざる映像が出てくる。
　ニューヨーク派は何か気取っている印象がある。ウディ・アレンしかり、特に小説なんかではニューヨークを舞台にしたものが多い。とは言ってもあまり読んだわけではないので、結論づけることは出来ない。なぜ、そういうかというと、まさにこの映画がそういったニューヨーク派の代表みたいな出来だからだ。ちょっと泣かせる話を二つ三つ、読者を唸らせてみせようじゃないの、という意図がみえみえなのだ。これが嫌だ。同じことをもう少しさりげなく、ささやかにやればＯＫなんだけどな。中身を云々する前に、全体がどうもなじめないので中まで入っていけない。