主役のグループの実年齢の差が気になるところだが、それは置くとして、この映画は1958年、人間を宇宙に上げる前に、安全を期して猿から、ということになり、それまでジェット機で訓練していた人たちが置き去りにされてしまった、というエピソードが初めに語られる。
　それから40年経ち、当時の青年たちも現役はとうに退き、60歳台となっている。そうそう、ジェット機の訓練というと「ライトスタッフ」を思い浮かべる。空軍の軍人が宇宙飛行士になるというのが、当初の流れだったようだ。いまは、そんなことはなくて、民間人でも行けないことはない。それでも、誰でも簡単に、というふうにはなっていなくて、やはりまだロケットに乗るには相当な訓練が必要になる。
　40年経って、なぜ今彼らが必要とされたのか、それは彼らでなくては直せない事故があったからだ。それでもまあ、彼らの頭脳だけ借りるという方法もあるのだが、なにせ時間がない。もたもたしていると、その人工衛星は落ちてしまうのだ。即席で宇宙旅行が可能かというと、これには疑問がある。でも、実際にグレンが70余才で宇宙飛行をやったのだから、無理ではない。
　この飛行は成功でもあり失敗でもあった。彼らの実績にかんがみて、こうなることが最善であったかのようだ。まったくの作り話らしい終わり方になっている。月まで行って、そこで死ぬのも一つのロマンだとでもいうのだろうか。