どんな時も(Angus)1995
監督 パトリック・リード・ジョンソン
出演 チャーリー・タルバート、アリアナ・リチャーズ、クリス・オーウェン、キャシー・ベイツ、ジョージ・C・スコット、リタ・モレノ、ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク、アンナ・トムソン

 原題はANGUSで主人公の男の子の名前。アンガス=牛のイメージからか幼い頃からいじめられていた。そう、いじめはどこの国でもある。誰かをいじめることで、ある種の優越感があるのだ。それは快感であり、やめられない衝動でもある。だが、逆の立場に立てば、それがどんなに人を傷つけ、人格までも押し曲げてしまうものかを知ることになる。普通そうなる前に嫌な大人になってしまうのだが。
 アンガスはデブだ。太っていることにコンプレックスを持っている。それを利点とした活躍も出来ないことはない。フットボールでは体の圧力が武器になるからだ。だが、それも誰か別の人の手柄になってしまう。悲しい、、、。何しろ、小さい時からの習性が身に付いているものだから、あきらめが早い。どうせ、という言葉が始めについてしまう。でも、誰でも自分の「分」はわきまえているもので、彼だけのことではない。また、どんなに外見が良くても、勉強が出来ても、何らかの欠点を持っているのが人間だ。それをまったく自覚していない人がいたら変だ。心の病んだ唐変木だ。
 人は見かけじゃない、とはよく言われること。また、アメリカ映画の得意とすることだ。この映画はアメリカ映画の常套をゆく作品の最たるもので、途中まで見ると、だいたいどのような展開があるか想像できるし、実際そうなった。そんな教訓めいた話ではあるのだが、分かっていても、映画はえらいものだ。こんな青っちろいストーリーに素直に入っていけるのだから。それがたまにはアメリカ映画もいいものだな、と思わせる点だ。今、なぜか「キャリー」を思い出した。ぜんぜん違うタッチの映画だけど、想起させるものがあるのだ。あれも又アメリカ映画でした。

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