忘れられた人々(Los Olvidados)1950
監督 ルイス・ブニュエル
出演 エステラ・インダ、アルフォンソ・メヒア、ロベルト・コボ、ミゲル・インクラン

 子供と言うものは、皆な元気なものだ。たとえ、大きな不幸を背負っていても、親がなくとも、金が一銭もなくても。環境に順応しやすいのだろうね。そういう子供たちを映画なんかで見ると、可哀想にとか、気の毒な、とか思ってしまうけれど、彼ら自身は自分をこちらが思うほど不幸だとは思っていないかも知れない。とはいえ、彼らが幸福である、とはいえない。少々悪いことをしたりするのも、それが彼らにとっての必要悪のようなものだから、特別にひどいことをしているようには見えない。感覚の麻痺しているのが可哀想と言えばいえるのだが、それも処世術の一つなんだろうな。
 だから、そういう子供たちを利用して悪だくみをする大人が許せない。彼らは子供をとことん使い、そうされた子供はいつしか同じような大人になっていく。このような悪循環がいつまでもその地を荒れたままにしておくのだろう。もっとも、メキシコがいつまでもあんな国であるのは、ひとえに日本とかの繁栄の裏返しなのだということは、しっかり認識していなくてはいけない。

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