映画が始まって、映像が派手で、これはいけるかな、と思ったとたん、どかーんというバックファイアーのような音音音、この音を音楽と感じる人は死ね！　
　あとはずーーっとこの映像と音の洪水で、私は完全に溺れていた。蛙に空気を入れて膨らませ、パチンコで破裂させ、血が女の人にべったりと付く、なんていう映像は誰も見たいとは思わない。全てがこの姿勢で貫かれていて、もしかして気に入る人がいたら、監督の黒魔術に酔いしれたのじゃないか。残念ながら、私はこの映画はまったくダメだった。時として、このように肌の合わない映画はあるもので、これだけ独特なものは反対に素晴らしいと言う人もいるわけだ。
　とにかくこの調子で始めから最後までやるものだから、映画に疲れてしまった。分からない映画とか、つまらない映画とか、今までいろいろ見てきたが、ぐったりと疲れる映画というのも珍しいものだ。例えでいえば、私にとっての大阪弁のようなもので、その中に居続けることは拷問にかかるようなものだ。そうだ、この映画は拷問映画だ。だから、逆に心地よく感じる人もいても不思議ではないわけだ。
　もうこれ以上書くことがない。