この映画はよく分かった人の解説付きでないと、理解出来ない部分が多い。それは私があまりにも物を知らな過ぎるからかもしれないが、主人公たちの通う学校からして分からない。進学校のようで、相当きつい授業をやっている。やたら生徒の尻を叩くようなことを言う先生がでてくる。かたや生徒は真面目に勉強するでなし、夜になると、黒い制服を着込み、なにやら宗教めいた儀式、あるいは右翼めいた行動をする。彼らは一体なんなのだ。学校といい、生徒の不思議な行動といい、分からないことだらけ。
　クロードはビデオ日記をつけている。彼女はアクセルとのいさかいから自殺するのだが、下級生のデルフィーヌがビデオを見てしまう。そこから、クロードとアクセルとの関係を推察し、さぐっていく。デルフィーヌの弟のアランと知り合いになるクロードだが、初めの内、そのことを知らない。と、まあ複雑な一言では言いがたい関係が構築され、崩れていくのだが、どれもあやうく、もろい。それはそれぞれが確固たる信念もなく、毎日を過ごしているからであり、それがまるで、伝染病ででもあるかのように、彼らに間に蔓延している。これで、どうして「いちばん美しい年令」なんだろう。ああそうか、逆説か。そうじゃなくちゃ。