ソビエト映画は解りにくいものだ多いが、これはその一つだ。特に文芸作品の映画化ではごくオーソドックスでいて、しかもアブストラクトになる傾向にあるものだから、よけいに解らなくなってくる。始めの屋敷のイメージ、誰かが殺されたり、いろいろあって、またわからなくなってくる。その上、長い。物語を追うだけで、手いっぱい。しかもその話が解かりにくいものだから、どうしようもない。だからといって、途中で投げ出して出てきてしまうようなことは今までほとんどなかった。はっきり覚えているのでは、大島渚のだけだ。あれは、題名を記すのも嫌なくらいおぞましくも、辛い一時だったもんだ。でも、そういうのに限って、覚えているものだ。それ以外は、いくら難解でも、見た。アブストラクトだからといって途中まででは作者に悪いと思うから。大島には、彼だけにはそうは思わない。最低の監督の一人。