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５月２４日（月）第１０７天 老師が変わった 対不対？
久しぶりの上課。なぜかまた大きく時間割が変わった。しかも今日から即実施だ。月曜日から水曜日までの三日間が６時間、木曜日は休み、金曜日は听力のみ。変則も変則、かなりなものだ。大変だけど、木曜日が休みなのは楽だ、遊びに行けるし。勉強はどういうふうにすればいいだろう。まとめて勉強ということになるかな。会話の老師が首になり、替わって来た男老師は呉卸耀という名前で、すこぶる楽しい上課となった。楽しい即いいかどうかはまだ分からない。
今日は天気も良く暑いが日陰に入ると涼しい。典型的な爽やかな五月の日和だ。昼間は暑いくらいの気温が夜になるとぐっと下がるのもいい。窓を閉めるくらいだ。また開けておくと蚊が入ってくる。今くらいの天気で温度なら文句はない。これから先、梅雨があるということで、雨は好きではないが必要なものだ。植物のためにも人間のためにも。自然現象なのだからたとえ嵐でも無駄なものではない。
授業が終わったのが午後３時前だったので、勉強の時間があまり取れない。今日は手紙を書いたり日記を書いたりしたので、勉強は宿題をやっただけだ。木金土日のうちどの日を勉強に当てようか。最低二日は勉強をしなければ、できれば三日間。出かけるのはとにかく一日だ。行っていない所を書き出して、少しずつ消していこう。まず、どこにしようか。
つもが帰りのバスで具合が悪くなったようで、今日は休んだみたいだ。さっき夕方会ったが、まだ直っていない様子だった。だいも怪我をしたり、財布をなくしたり、下痢気味だったりと、すっきりしていない。具合が悪くなるのは年寄りばかりではない。若くても具合は悪くなるということ。僕は少なくとも53年は生きてこられたのだから、耐久年数53年と言える。その点いまの若者にはどのくらいの耐久年数があるのだろう。子供の時からろくなものは食べてきていないはずだから、身体はがたがたかもしれない。なにせマックやKFCが好きでスナック菓子に目がないらしい。そういう僕も甘いものに目がないから五十歩百歩か。どのくらいの毒素を身体に溜めているかどうかの差だ。僕の子供のころもサッカリンだの色素だのとひどかったし。そう考えると胸をはれない。戦前の人は有害なものはあまり食べていなかったかわりに栄養失調ぎみだったろうし、さてどちらが勝ちか。それはじきに明らかになるだろう。
明日は勉強をしましょう。日記も時間を決めて書いて、写真もプリントに出したいし、いろいろと忙しい。幸い僕は健康だ。お腹の調子は日本にいる時と同じだし言うことなし。中国料理には思いきりフィットしている。僕は適応能力があるのだろうか。いや、ただ中国料理には合っただけで、他の国の料理には拒否反応が出るかもしれない。たとえば韓国料理がそうだ。普通の焼肉はいいが、ほかのは×。辛いのが苦手なのだ。辛いといえば中国にもたくさんあるが、なぜか中国のは平気みたいだ。中国にはこれから何度でも来たいが、韓国にはあと一度でいい。他のも行きたい国はたくさんある。ただ、遠いので行くとしたらアジアになるかな。十何時間も飛行機に乗り続けるのは相当疲れるに違いない。まあ、行けたらの話だけど。
５月２５日（火）第１０８天 時間がない
どうも午後までの上課だと忙しい。終わってすぐ夕方になってしまう。これが連続するのだから、その間どこへも行けず、勉強もはかどらない。日記はいつ書けばいいのか。１ページ以上書きたいのだが、それには時間がかかる。あまり時間をかけてしまうと他のことが出来ない。全体の時間としては同じなのだが、片寄るといびつになってしまう。やはり毎日午前中だけというのが良い。午後の時間をすっかり使えるからだ。A班だけがなぜか不規則時間割になってしまった。ヤン老師のせいであることは確かなんだけど、他のクラスの都合でもあるのだが、ではなぜA班を優先しないのか！！ 今日もすでに５時半だ。食事に行って帰ってきてからの勉強ははかどらない、というかほどんどやらない。どういうわけか進まない。日記を書いたり、インターネットを見たり、テレビを見たりで時間がつぶれてしまう。
いまさら遅いかもしれないが、文章を暗記することにした。記憶することが苦手なので避けていた節がある。英語だって覚えたから少しは話せるのだ。同じことだと思う。まだ初めだから日本語と対にして覚えるのがいいと思う。今はそれが出来ない。注釈が英語だから日本語として即つながらない。英語を介してだから、なんとなく分かったという感じだ。本来なら外国語を介することは有害であるのだが、まだそんなことを言う段階ではない。大変かもしれないが、不可能でもない、先は長いし。これはこちらにいる間に覚えることにした。もちろん試験の前までに、ということはあと一月だ。でもしっかり覚えれば試験の結果も良いはずだ。いまよりずっと話せるようになるはずだし。むしろ試験より話せることに重点を置きたい。
蚊が出るなあ。電気蚊取りをつけてから刺されることは少なくなった。油断をするとすぐに刺されてしまう。ここは二階なので蚊も出やすい。一階にはひどく出るそうだ。ずっと上の人の部屋にも出るという。階段かエレベーターで上がるのだろう。今日はすでにつけている。刺されないといいのだが。
５月２６日（水）第１０９天 どぶ川
この三日間の６時間上課が終わって明日休みで、これから勉強だ。その前に日記をかかなければ、というこの日記がくせもので、長く書こうとすると時間がかかる。しかも旅行の日記が残っているので、よけいだ。といって書かないと気持ち悪い。やり始めると完璧をめざしてしまう性格がわざわいするのはこんな時だ。といって、勉強は完璧に出来ない。日記は何か書けばいいのだから出来る。
散歩に出かけた。北門を出て右に道をとり、ずっと行って左に曲がったところにあるという店をめざした。まあ聞いた話もうろ覚えだったし、暇にまかせての行動だったので、あってもなくても構わなかったのだが、あんのじょうなかった。もっと先に行けばあるのかもしれないが、暑いのとほこりっぽいのとで、先に行く気がしなかった。
大学のまわりの状況が少し分かった。どこまでいっても田舎道だ。工場が多い。そうそう、小さな川があって、その水を見て驚いた。ごみで汚れているならともかく、コールタールが層を成している。こんな川を見たのは久しぶりだ。昔の隅田川を見るようだ。いや、それよりずっと悪い。なにしろコールタのような黒いのが水の表面を覆っている。これではいくら街の中心地をきれいに取り繕ってもだめだ。規制はどうなっているんだ。そこまで手が回らないというのか。
午飯を食べに行ったのだが例によって食べたいのがなく、戻りかけたらだいと三人の韓国人女性がいた。これから韓国料理を食べにいくというのに便乗。話は主にだいと崔施恩
で金寿真はときどき話すだけではしゃいでいる。もう一人はE班だから話せるが大人しい感じだ。きれいなのはＥ班の女性で金はおしゃべりで楽しい人。もっと話が通じるといいのにと思う。焼肉は高かったがたのんだ。58元だった。そのほかいろいろ食べて、一共192元だった。こういう食事もいいね。僕ももっと積極的な付き合いをしたいものだ。今からでは遅いかな。でも一番積極的なだいを除くとだいほどの人は他にはいない。他の外国人の中にもいないと思う。ほとんどが自国人との付き合いに限られている。そんな中でだいは偉い。
明日はどうしよう。天気にもよるが、出かけるとしたら明後日にしたい。僕のことだから予定は未定だ。大学のまわりをうろつくことはもうしないと思う。歩くにはほこりっぽ過ぎる。工事がとても多いから土ぼこりが立つ。どこもかしこも工事中だ。日本でも工事は多いが汚くはない。どこがどう違うのだろう。かたづけをしないで工事しているからだろうか。建設関係の人に見てもらいたい。それから衛生についてもその関係の人に見てもらいたい。僕は何の関係者でもないので、特別に見るものはない。映画館もシネコンしかないのかなあ。名画館があるといいのだが。あるいはフィルムセンターのような公共施設はどうか。映画に飢えている僕だけど、何でもいいというわけにはいかない。映画館はたくさんあるということだが、あまり見かけないのはどうしてだろう。あまり目立つところにないのか。休みに映画館探しをしてみるのも一興だ。
５月２７日（木）第１１１天 さくらんぼ
今日は起たのが８時過ぎだった。休みでも早く起きてしまうのが普通なのに珍しいことだ。天気もよく、でもでかけなかった。勉強をしようと思ったからだ。だが、その計画はもろくもくずれた。なぜか、なぜなのか分からないがとにかくはかどらなかった。時間があり過ぎるとかえってこういうことになる。明日はどうしようか。出かけるのに最適な季節でもあり、でも勉強もしたい。買い物をするでもなし、出かける必要はないのだ。迷うな、迷いがあると勉強に身が入らない。細かい勉強よりも、文章を記憶することを優先させようか。覚えることは決まっているし。文法がどうのは後回しだ。はっきり言って、中国語で文法の説明をされても分からない。かゆいところに手が届かないのだ。それは日本に帰ってからじっくりと分かるようにして、こちらでは丸暗記＝話せるようになる、これだ。この分だとなんとなく明日は出かけなさそうだ。分からないけどね。床屋にも行きたい。髪の毛がうっとおしい。洗ったまま何もしないでいい、というのがいい。それには相当切らないといけない。明日出かけないなら床屋に行こう。出かけるのは土曜日にして。
なんかどうも落ち着かない気分だ。あと一月だと思うからだろう。でも一月というのは長いとも言える。一月の旅行と言ったら長いものね。ああ、なに言ってんだろう。
 さくらんぼを買って、さっき食べた。甘くないのが思い切り食べられたのは良かった。少し置いといて甘くなってから食べようか。中国は果物を道ばたで売っている。種類は少ない。さくらんぼはバス停のところのマーケットで買った。この前南京へ行った時にガイドの人からもらったのを食べたので、さくらんぼを売っていないかと探していたのだ。店で見掛ける果物は西瓜、林檎、梨、葡萄、梅、パイナップル、茘枝、バナナなどだ。ついでに超市について書く。スーパーマーケットを訳して超市としたことは明確だ。超と名のっているのに小さい店もある。なんでもあるが、欲しいものは何もないという感じ。お菓子はおいしいのはないし、みんな試したわけではないので、決め付けられないが買ってみようと思わせるものがない。肉は買う気がしない。肉や生ものに対する姿勢が日本とまるで違うのだ。それは逆も言える。日本の刺身売場を見たら中国人はどう思うだろう。それの逆が中国の肉売場だ。売っている魚も種類が違う。こんどもっとよく見ておこう。匂いが強いのであまり行きたくない気もする。
５月２８日（金）第１１２天 今日は听力だけ
うす曇で暑い。今日は听力が二時間あっただけでおわりだった。HSK補習をやる人は午後からあるが、僕は受けていないのでない。昨日休みで今日がこんな具合だから今日の出席はどうなるかと思っていたら、10人くらいは来た。日本人のほとんどと韓国人の少し。実際には26人いるはずだから欠席の多いクラスだ。それにしても、前にも書いたが、授業に出ないで何をしているのか。勉強は二の次なのか。長期滞在するための手段としての留学なのか。それならもっと便利な場所にある大学がいいだろう。それでも時々出てくる人は愛嬌があっていい。初めの頃にちょっとだけ出てそれ以来まったく出席していない人、彼らは僕らから忘れ去られようとしている。そんな人はどういうつもりなのだ。僕にはまったく分からない。ここが特別に快適な場所だとは思えないし、勉強するくらいしかないと思う。遊びに行くには遠すぎる、部屋で小説でも書いているのかもしれない。また大学も彼らに対して手をうっていない。留学生という立場は正式な学生ではないのか。少なくとも上海大学の留学生と名乗れるのだから学生であるはずだ。それがこのざまだ。僕がこの自由を使うのだったらこうする。中心地に近い大学に入る。授業には出ない。寮を出てアパートで暮らす。アルバイトできると更によい。普通の生活を学生の身分で出来るわけで、ビザを一番取りやすく、延長も出来る。中国に暮らす手段としての留学なら可能だ。たぶん、彼らもそれなんだろう。あるいは、中国語を習い始めたはいいけれど、難しくて手が出ない。勉強は諦めた、といってすぐに帰るのもみっともない、ということなのかなあ。彼らは夏を越してさらにいるのだろうか。ほとんど出席しない人の処遇はどうなるのだろう。
昨日買ったさくらんぼ、昨日食べたのと今日食べたのでは味が違う。甘くなった。もうちょっと置いておこうか。でも待つより早く食べたい。また買おうかな。さくらんぼの季節は短いからね。
なんか天気が悪くなってきた。明日の天気が心配だ。出かけるつもりだからだ。雨だったら出かけない。別に用事があるわけではないから。でも、あちこちまわる観光は大事だ。まだ降りてない駅も多いし、行ってない公園もある。東京のように広大ではないが、狭くはない街だ。一番の方法はひとつひとつの駅を降りてそのまわりを探索することだ。各駅停車の旅だ。そうなると観光ではなく、探検あるいは発見の旅となる。前に道に迷って狭い道を歩いたことがあったが、あれをやればいいのだ。狭い道は整然とはしていない。行き止まりそうな細い道、それでも行き止まりにはならない。どこかへ抜けている。どこからどこへ行ってもどこかへ行ける。だから道を知っていれば近道も出来る。そんな道を知るくらいにまで慣れたい。でも、慣れたころには古い町は取り壊されることになっているかもしれない。
明日の行動は明日決めよう。天気と気分次第だ。
５月２９日（土）第１１３天 ちょっと外出して街歩き
出かけようか、出かけ まいかと迷った末、出かけたのが11時過ぎ。こんな時はろくなことがない。でも今日はそうでもなかった。676-Bのバスでいつものように出発。椅子の上に１元乗っかっていた。これはありがたい。すぐ前にいる小学生見つけていないのかな、この子供、僕が小説を読みはじめたら、興味深そうに見ていた。この人はいったい何を読んでいるんだ、漢字はあるようだが、何語なんだ。そんな目だった。説明してあげれば良かったかな。暑いのにクーラーのない車だった。窓を開けてあるので風が入ってくる。まだそんなに暑くはないので、外からの風でじゅうぶんだ。これでもっと暑くなると、こんな車ではたまらないだろう。田舎を走るバスは優遇されていないからクーラーなしが多い。
今日は何となく浦東方面へ行ってみた。塔以外にもいろいろあるように書かれてあったからだ。行ってみた。ない、ない、何もない。塔と高い建物は両方とも登ったし、まだこちらは栄えていない。都会の田舎の雰囲気だ。高層ビルのみが勇壮な姿で建っているだけだ。
引き返して、静安駅へ。南京西路だ。東路とは雰囲気がまるで違う。雑技団を見たところや伊勢丹があった。さらに東に向って歩いた。駅で二つ分歩いた。途中でパンを買った。少し食べてみたが これはいいかもしれない。ただし、店員は普通の中国人だった。あいそがまったくなく、しゃれたパンに合わないことおびただしい。
やがて人民广場が見えてきた。いつもとは違う側から見るのは初めてだ。雰囲気が違う。ちゃんと公園があって有料で入場できるようだ。時計台のある美術館があった。このあたりの工事が終わるとどうなるのだろう。工事は僕が帰るまで終わりそうにない。次に来る時までにはちゃんと整備されていることだろう。
今日はカメラを手にして歩いたので写真をたくさん撮った。いちいちカメラを出して、というのだとなかなか写せないものだ。今度からはもっと積極的に写真を写すつもりだ。
いつもの第一百貨店に入った。ベートーベンの交響曲全集、カラヤン、ベルリンフィルを買っ た。なんと58元。これが買わないわけにいかない。カラヤンというところが気に入らないが、58元がそれを抑えてしまった。こんな全集、もっとないものか。もっと大きなCD屋はないものか。取り揃えが充分でないところばかりだ。CD、VCD、DVDをたくさん買って帰るつもりだ。本も欲しいし、これからは忙しくなりそうだ。今日は雨がほんのちょっと降ったが傘は必要なかった。明日は勉強をする。宿題もあるし、日記の残りもある。時間があるようでないのだ。
電気蚊取り器の性能やいかに。どうもあまり良くない。むしろ普通の蚊取り線香のほうがいいみたいだ。だが、中国のは評判が良くない 。色も緑ではないし。除虫菊の色は緑ではないのか。草の色そのままなら緑である。それがこちらのはくすんでいる。まさか日本のは着色はしていないと思う。中国のもわざわざくすませるように着色はしないだろう。製法の過程でそうなってしまうのだろう。色はどうでもよい。効き目が問題だ。
今はまだいいが、もっと暑くなると窓を開け放して寝ることになる。そうすると外部からの音が気になる。それでなくても音はうるさいのだ。窓は閉めて、クーラーにしようか。静かなら窓を開けることにしよう、うるさければ閉めてクーラー。チンがいると扇風機を回すからいやだ。扇風機は音がうるさいし、人工の風は苦手だ。それならむしろクーラーだ。
５月３０日（日）第１１４天 雨
天気は昨日より良くない。昨日出かけて正解だった。どちらかというと日曜日は出かけたくない。A班の場合、木曜日から４連休のようなものだから、出かけられる日は多い。ただ、月火水の三日間は出かけにくい。思いきり変則な時間割なのでやりにくいことおびただしい。そんな第一週は終わった。これ以降たいして週はないが、こんな具合でいくのだろう。出かけたい、でも勉強がある、出かけても目的はない、とこんな調子だから出かけても何もない。
上海はこんなものなのか。遊び方や楽しみ方を知っていればこんなことはないはずだ。それとも、実際にこんなものなのだろうか。そもそも映画を見るということが出来ない。映画館はあるが、ろくなのをやっていない。映画の情報がほとんどない状態なので、どれを見たらいいのかが分からない。情報と言ってもアメリカ映画の新作くらいしかやっていない。また、中国映画を見るのはまだ無理だ。となるといきおいアメリカ物になってしまう。あるいは日本映画でもやってくれればそれもいいかもしれない。それがやっていない。名画座はあるかどうかも分からない。無理して見ようと思えば、アメリカ映画を中国語字幕で見るくらいしかない。一度そうしてみようか。他に方法がないから。映画館はある。一度も見ないのはつまらない。外国で映画を見たことがない。普通の旅行で映画をみる時間はない。今のように暇のある時に見なければいつ見られるというのか。何をどこで見たらいいか検討しよう。
今、雨が降っている。本降りだ。最近あんがい雨がなかった。雨はいやだけど、ほこりっぽい地面を湿らせてくれるのはいいことだ。本当にどうしてこんなにも土ぼこりが立つのだろう。工事現場が多いからか、舗装された道路がでこぼこだからか。一応舗装は出来ている。出来すぎるくらいだ。それもコンクリートで固めてある。それなのに後のことをまるきり考えていない。歩道はどうでもいいみたいだ。工事は日本以上に年柄年中やっている。それでもこの広い国土を整備しつくすことは出来ない相談だ。都市だからまだこれでもきちんとなっているのだろう。本当の田舎に行ったことがない、チャン・イーモウ映画に見る山をいくつも越えた先にある田舎を。都市以外に行けばいくらでもあのような風景を見ることが出来そうだ。
雨だし、すずしい風が入ってくる。このくらいの季節がちょうどいい。暑くもなく、寒くもなく、雨もあまり降らない。５月はいい季節だった。梅雨が始まるとどうなるのだろう。どのくらいの割で雨が降るのだろう。
昨日買ったパンはおいしく食べた。クロワッサン風なのは文句ない、葡萄パンはひとつひとつが大きすぎる。でもまともなパンを初めて食べたと言っても過言でない。それほどここには本物のパンがない。フランスパンはない。バゲットは出来たてでないといけないから、売れなければ作らないという理屈だろうから、売れないのだろう。それでもフランス租界のあった上海でフランスパンがないのはどうしてか。フランスパンにチーズとハムのはさまったのがないものか。捜索願を出してでも見つけたい。普通のサンドイッチも見ない。新天地あたりの店に行けばありそうだな。あそこにまた行く気がしないが、行ってみるか。インターネットで探してみよう。しっかりとした情報を持って見つけ出そう。
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